単語張を使って単語を覚える。高校での単語テストのためでもあり、受験勉教の大事な一項目でもあります。しかし、皆さんは日本語を覚える際にこんな面倒な作業をしたのでしょうか。
人が会話をする時読書をする時には必ず前提があります。その時、どんな話をしているのかと言う。ですから、聞き手や読み手は話者や筆者が次にどんな話をするか予想しながら聞いたり読んだりするものです。これを文脈と言います。予想しながら話を聞いたり読んだりしていると、解らない言葉が出てきても、一つや二つであれば、何とかなるものです。その結果、解らない単語の意味を自然と理解し覚えてしまうのです。この繰り返しこそが言葉(強いて言うと語学)の発達だと考えられます。
実際にこんな話がありました。国語の苦手な生徒との会話の中で、この文脈を考えず(予想せず)、人の話を聞いていることが判りました。その際にこんな約束をしたのです。人の話を音として捉えず、今後はお話として聞くこと(流れを予想しながら聞くこと)。こちら話し手側(講師側)は、適当なところで、今何の話をしているか聞き返す。これを1ヶ月続けると、国語だけでなく他の科目の小テストの点も上がりだし、3ヶ月後の模試では見違えるような偏差値になりました。
ここでの結論は、単語や熟語は作品(長文)で覚えましょう、と言うことです。会話や作品の中で覚えた単語は、そのイメージが残るので忘れ難いのです。逆にどんなに優れた単語帳であっても、そこには基本、意味が載っているか、1・2行の例文が載っているだけです。これではイメージは残りません。
皆さん、古文で例を挙げると、枕の草子です。あの序段 「春はあけぼの・・・ 」で、 「をかし」や「わろし」のイメージを皆さん身に付けられたのではないのでしょうか。英単語・英熟語、古文単語はこの感覚で覚えていくべきです。但し、断っておきますが、単語帳が無駄とは言いません。長文で覚えた後の確認に使うのです。
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